FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ogre0612.blog17.fc2.com/tb.php/72-fd6ca7aa

-件のトラックバック

-件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

第三章 別れを呼ぶ北の大地・26

「ん、今何か聞こえなかった姐さん?」
 ヘルメットを被り、バイクに跨ろうとした謙太郎がリサに聞く。
「私には聞こえなかったわよ。さぁ、もう時間が無いわ。急ぐわよ健太郎君」
 先にバイクに跨ったリサがエンジンをかける。

「やっぱり向こうから何か聞こえる。って、姐さんあそこ!」
 振り返りコントロールタワーの方を見上げた謙太郎は自分達を呼ぶ声に気づいた。

「な、ミレイ……。あの子達、まだあそこに……」
「まずいぞ姐さん、もう時間ないだろ。あんなところにいたら……」
 コントロールタワーに向けて駆け出そうとする謙太郎の腕をとっさに引き止めるリサ。
「ダメよ、戻ればあなたまで……。分かっているでしょ?」
 鋭い瞳で謙太郎を見つめるリサ。
「あぁ……。けど、」
 リサの手を振り解きコントロールタワーの方を向きなした謙太郎が大声で叫ぶ。

「今すぐ建物から出て、出来るだけ遠くまで離れるんだぁ!!」
 



「あいつなんて言ってるんだ?」
 謙太郎がこっちに向かって何かを叫んでいるようだが、風向きが悪いのか良く聞き取れない。
「聞こえないよぉ!」
 ミレイが大声で叫び返す。

「そこは……いから、すぐに……できるだけ……まで……」
 健太郎が何かを伝えようとしているのは間違いないのだが、あと少しのところで聞き取れない。
「ここが何だってぇ?」
 今度は忍が叫ぶ。

「もう時間が無いからよく聞いて!そこは危険だからすぐに建物から出なさい!そして少しでもこの施設から離れるの、早く!!」

 これまでに聞いた事もないようなリサさんの大声がこっちにまではっきりと聞こえた。
(ここは危険だから離れろ?誰もいないのに?)
 俺は彼女が言っている意味がよく分からなかった。
「なんかよく分からないけど、リサ姐が言ってるんだ。さっさとここから出よう」
 リサの声を聞いて忍が窓際から離れる。

「今からそっちに行くから!リサ姐!」
 ミレイが叫んだ後俺達は階段の方へと向かう。


「伝わったようね。さぁ、行くわよ健太郎君」
 3人の姿が見えなくなったのを見てリサは健太郎に出発を促す。
「え、あぁ……」
「躊躇している暇は無いわ。それにもうあの子達と行動を共にする事はできないのよ」
 コントロールタワーの方を見たままの謙太郎にリサが冷静に語りかける。
「それを分かった上で、私に、私達の力になってくれると言ってくれたんでしょ?」
「あぁ、分かってるよ姐さん……」
 ヘルメットを被った謙太郎がバイクの後ろに跨る。
「じゃあな修治。あづさのこと、よろしく頼むぜ」

 2人を乗せたバイクは舞い散る粉雪を切り裂いて発電施設を後にした。


続く
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ogre0612.blog17.fc2.com/tb.php/72-fd6ca7aa

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

一言

 あっという間に8月になりましたね。
 夏休みの予定がまだ決まっていないのが悲しいところ。
 実家に戻るつもりなのですが、その間の更新はどうしたものか……。

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

プロフィール

おぐれしんじ

Author:おぐれしんじ
東京都で会社人をやっています。
趣味の小説ですが、ひとつよろしくお願いします。






上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。