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第三章 別れを呼ぶ北の大地・19

「悪い悪い、ちょっとトイレに行きたくなってさ。あぁ、計器の故障とかじゃないから、心配しなくても大丈夫だって泉ちゃん」
 謙太郎がバイクに備え付きの通信機で本部の泉と会話をしている。
「もう、それならそうと連絡して。2人とも応答しないんだから心配したのよ」
「だから悪かったって。ゴメンな泉ちゃん。リサ姐さんにも言っとくからさ……」

 泉との通信を終えた謙太郎が疲れた表情でリサの元へ戻ってきた。
「泉ちゃんは何て言ってたの?」
「どちらかは通信に出ろって怒られたよ。あと、その場に留まるときは連絡入れろともね。適当にごまかしといたけどな」

「そう、他には?」

「後は姐さんの予想通り、作戦変更の指令が来たよ。俺達はポイントS4へ行けってさ。どうする?」

 先ほどから海のほうを向いたままのリサと、その背中を見て話す謙太郎。もうじき冬を迎えようとする北海道の海をバックにリサの鮮やかな髪がなびく。

「ポイントS4へ向かうふりをしつつCN3へ向かうわ。予定の17時までには辿り着けるようにね。もう1度確認するけど、本当にいいのね健太郎君?」
 相変わらず海の方向を見つめたままのリサ。その表情は謙太郎からは見えない。
「あぁ、男に二言は無いって言ったろ。最初に誘われ時から決めていたんだ。俺はこの人に付いていくってね。それにさっきの姐さんの話を聞いて、姐さんを1人で行かせるわけにはいかないしな」
 
「あづさちゃんのことはいいの?」

「そりゃ心配さ……。でもあいつは今東京にいるわけだし、ここからじゃどうすることもできない……。それにあづさは強いから大丈夫さ」

 謙太郎の口から出た「あづさが強い」という言葉に思わずリサは振り向いた。そして穏やかな表情を浮かべて優しく言った。
「信じているのね、あづさちゃんのこと……。今みたいに自分の進む道を決断できるところもそうだし、いい男ね健太郎君は。年下なのが残念。そうじゃなければ惚れていたかもしれないわね……」

「ってことは姐さん、年上が好みなの?」

「あら、言ってなかったかしら、フフッ」
「あーあ、完全にアウトだなこりゃ……」
 大げさに落胆した表情を見せる謙太郎。それを横目に見つつリサはバイクに跨った。

「さてと、お話はこのくらいにしてそろそろ出発しましょう。まだ気づかれるわけにはいかないわ。さぁ乗って」

「あぁ。なんか柄にもなくドキドキしてきた。リサ姐さん、不安な気持ちの俺を優しく抱いて……ゥグッ!」
 後ろに跨り腰に手を回してきた謙太郎のみぞおちに肘を入れてリサはバイクのエンジンを入れた。

「さっきまで晴れていたのに……。夕方には雪かも知れないわね。ほら、謙太郎君、飛ばすから振り落とされないようにね」
「ぁぃ……」

 2人を乗せたバイクは静かに動き出す。彼らもまたポイントCN3へと向けて。

続く

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一言

 あっという間に8月になりましたね。
 夏休みの予定がまだ決まっていないのが悲しいところ。
 実家に戻るつもりなのですが、その間の更新はどうしたものか……。

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おぐれしんじ

Author:おぐれしんじ
東京都で会社人をやっています。
趣味の小説ですが、ひとつよろしくお願いします。






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