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プロローグ・2

「大分雨足が強くなってきましたね、先生」
「あぁ、雷も近づいてきているようだ。Mr.ファーブル、避雷針とエネルギー変換装置の準備は?」
 と問いかけようとした境は、思い出したように再び口を開く。
「問題ない、だったね」
 ファーブルは黙って頷く。スタウトもそれに続けて黙って親指を立てる。

「準備は万端、人事を尽くして天命を待つ、というところか」
 コーヒーを飲み終えた三人の男たちは窓際に置かれた機械の中に準備されたそれぞれの座席に腰を下ろす。
 研究室の窓際に置かれた機械。小型自動車ほどの大きさそれは、中に3つの座席と様々な計器、そして後部には大型の冷蔵庫ほどある巨大なエンジン。そのエンジンからは太いパイプが天井へ伸びている。そこから先は研究室からは見えないが、屋上に聳え立つ避雷針へと直結されている。
 男たちがそのタイムマシンと呼ばれるものに入ってから3時間は過ぎただろうか。

「雷をどこに落とすかは神様が決めることだからね」
 境が笑みを見せながら呟く。

「見てみな、君の助手は夢の世界へ先に旅立ってしまったようだぞ」
 デスクで寝息を立てる女をみてスタウトが笑いながら呟く。
「夜更かしは美容の大敵だからね。それにここに落雷があれば嫌でも目を覚ますさ」
「違いない」
 境の返答にファーブルも頷く。

 次の瞬間、鼓膜が破れるかのような轟音とともに目の前が真っ白になる、次の瞬間には部屋の明かりが消えた。
「来たかっ!」境が叫ぶ。

「このビルに直撃です、間違いありません!」
 轟音で夢の世界からこちらに戻ってきた牧原が興奮気味に言う。

「エネルギー変換システム正常稼動。変換効率は78%。時空跳躍に必要なエネルギーがチャージできるまで後30秒!」顔を上気させたファーブルの声に重なるようにスタウトも。

「跳躍システムオールグリーン、行けるぞサカイ!」
「ついにこの時が来た。父さん、母さん、待っていて下さい。あなた達の未来、そして私の今を変えてみせますよ」
「後10秒!」
 ファーブルが言った次の瞬間。再び轟音が響きわたる。

「なんだ!」
「また落雷です!」
「いかん、2度目など想定してないぞ!これ以上はシステムが耐え切れない」
「停止できないのか!」
「制御不能だ!」

 待ち望んでいた雷が落ちた、しかも短時間に2回も。だが、2度目の落雷はそこにいるものたちにとって完全に想定外の出来事だった。

「エネルギーがオーバーフローしています。これでは狙った時に、1960年に飛べるかどうか分かりません!境先生!」
 牧原が悲痛な叫びを上げる。

「だめだ、跳躍システムが暴走している。このままじゃどこに飛ぶか分からないぞ!」
 動転している2人の外国人達を尻目に、境はゆっくりと牧原の方を見て穏やかに笑った。
「牧原君、あ・・・」

 境が最後まで言葉を発する前に3人の乗ったタイムマシンはその場から忽然と姿を消した。
「境先生ぇぇぇっ!」

 あとに残ったの天井からぶら下がったパイプの残骸と焼け焦げた実験室の床だけだった。


2002年6月12日

AM1:17 東応学院大学物理学部研究棟に落雷。

AM1:18 再度落雷、境博士他2名、人類初の時空跳躍に成功。ただし一般には公開されることはなかった。


プロローグ 完

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一言

 あっという間に8月になりましたね。
 夏休みの予定がまだ決まっていないのが悲しいところ。
 実家に戻るつもりなのですが、その間の更新はどうしたものか……。

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おぐれしんじ

Author:おぐれしんじ
東京都で会社人をやっています。
趣味の小説ですが、ひとつよろしくお願いします。






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